加齢によって、目の中のレンズ(水晶体)が白く濁ることにより、視力が低下して以下のような症状がでます。
- ◎ 物がかすんで見える
- ◎ 明るいところへ出ると眩しく見にくい
- ◎ どんなに調整しても眼鏡があわない
- ◎ ぼやけて二重、三重に見える
白内障が疑われる方には、白内障以外の目の病気がないかどうか眼底検査などを行います。
日常生活に不便を感じるようになった時点で手術を検討するのが一般的です。視力が0.2の人でも不自由がなければ手術の必要がありませんし、0.9でも不便を感じていて手術で改善する見込みがある方には手術をお勧めしています。ただし、あまり進行すると手術が難しくなります。
普通運転免許の更新や老眼鏡を使っても新聞の細かい記事が読みづらいといった症状が一つの目安になるでしょう。
近年では、特定のタイプの緑内障(閉塞隅角緑内障)で、発作や進行の予防のために手術をお勧めする場合があります。
メリットは数多くあり、第一に大半の方で術後に視力が向上します。また、視力だけではなく、白内障で見づらいために低下していた生活の質を向上することも知られています。また、高齢者で転倒などを有意に減少させた、という報告もあります。
デメリットは、手術である以上100%安全という訳ではない点です。2000人に1人程度の頻度ですが、目の中の細菌感染(眼内炎)が起こり得るとされています。当院では、手術に際して厳重な感染症対策を行っています。
- 白内障手術が必要と判断された方は、日帰り手術が可能かどうか検査を行います(血液検査、尿検査、)。治療中の大きな病気のない方は、このときに手術の予定日を決定します。
- 白内障手術を行うための目の精密検査を行います。手術前に必ず手術の内容、手術前後の注意事項についての説明を受けていただきます。(可能な限り)どなたかご家族の方とご一緒に来院して下さい。当院では、金曜午後14時から白内障手術説明会を行っております。
- 手術3日前から手術当日までの間、感染予防のために抗菌剤の点眼をしていただきます。
- 手術当日は指定された時間までにご来院いただき、手術前に点眼処置などを行います。手術時は眼をしっかりと消毒してから局所麻酔で行います。手術中は、ほとんど痛みはありません。白内障手術時間は通常では数分から15分です。特殊な症例、難症例ではもう少し時間がかかることがあります。実際の手術では、眼を2㎜程度切開して細い器具を差し込み、超音波によって水晶体を砕いて吸い取ります。その後人工のレンズ(眼内レンズ)を移植します。眼内レンズは一度入れれば取り替える必要はありません。
- 手術直後に厚めの眼帯をしていたただきます。そのため、ご自分で車を運転しての来院はおすすめしていません。また、帰宅するとき及び翌日来院するときはできるだけ付添を必要とします。翌日の診察時には眼帯を外しますので、次からの通院は一人でもかまいません。(術後1週間程度は、保護めがねのご使用をお勧めしております。)
- 木曜午後;手術当日は指定時間に来院して下さい
- 翌日(金曜);眼帯を外して診察します。
- 翌々日(土曜);診察・検査
- 術後1週間目
- 術後2週間目
- 術後1ヶ月目
- 術後2ヶ月目 これ以降は必要のある方のみ通院です。
- 目を絶対にこすったり押したりしないこと
- 目薬を指示通りに点眼すること
- 異常(強い痛み・急な視力低下)を感じたらすぐに受診すること
- 手術後1週間は、洗顔は行わないで顔を拭く程度にしてください。首から下のシャワー浴 は、手術翌日から可能です。入浴は目をぬらさないよう注意すれば、術後3日目から可能 です。洗髪は術後1週間目以降にして下さい。
- 重症な感染症(眼内炎)を起こす危険性は、手術後1週間以内がほとんどなので、力仕事やほこりの多い職場での作業は,手術後1週間は控えて下さい。
- 食事・喫煙は特に制限はありません。飲酒は手術後1週間は控えてください。
- Q費用は?
- A 1割負担の方で片眼約15,000円前後、3割負担の方で片眼約45,000円前後です。
- Q裸眼で生活出来ますか?
- A 眼内レンズを入れれば、裸眼視力が1.0絶対に出る、といったことではありません。治療を受ける方によって結果はさまざまということを踏まえて、手術を受けていただきたいと思います。術後、裸眼で不自由なく生活できる方もいらっしゃいますが、必要に応じて術後1~2カ月で眼鏡処方を行います。
- Q手術前の眼鏡は使えますか?
- A 術後は目の中のレンズの度数が変わるため、今までお使いいただいた眼鏡が合わなくなります。必要に応じて術後1~2カ月で眼鏡処方を行います。
- Q後発白内障とは何ですか?
- A 白内障手術後、数ヵ月~数年して、また「まぶしくなる」「目がかすむ」ことがあります。これは、手術の時に残しておいた水晶体の後ろの膜が濁ってくるものです。後発白内障は、外来でのレーザー治療を行えば、視力はすぐに回復し再発することはありません。